「築城3年、落城1日」。 2016年1月、年頭所感でこの年の政権運営について、当時の安倍晋三総理が語ったこの言葉は、まさしく垂れ込める暗雲を暗示していたのかもしれない。 第2次安倍内閣で経済財政相に就任し、アベノミクスの司令塔として成長戦略を担当したのは、甘利明氏だった。 同時に経済再生担当、社会保障・税一体改革担当、さらには環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉に参加するなど、文字通り政権の重要課題を担うポストで活躍していた。 ところが新年早々の1月21日、甘利氏が千葉県内の建設会社社長から、2度にわたって手土産と一緒に、のし袋に入った現金50万円を受け取り、「適正に処理して」と秘書に渡して…