過日の野田前首相による、安倍への追悼演説は、素晴らしいものだった。 歴史に残る名演説だったと言って良いだろう。 各ニュースでも振り返られていたが、民主党政権最初で最期の衆院解散時の、安倍と野田の丁々発止は、戦後憲政最大のスポットライトの当たる名シーンでもあった。 追悼演説で刺さるポイントはいくつもあったが、著者にとっても、 「安倍晋三とは何者だったのか」 は巨きな問いだ。 個人感情としては、安倍は好きな政治家ではなかったが、彼の大きな功績や足跡は理解もし評価もしていた。 が大きすぎるがゆえに、そのピントも絞れず、知的関心の対象としては遠ざけてきた。 はっきり言うが、彼の死によって、初めて「知的…