天野純希の作品。この方の作品は初めて読みました。 主に7編の短編集みたいになっているのですが、時代は昔から脈々と流れ、その時々の時代の寵児とも呼べる人たちに主人公が変わっていく、この形、なかなか面白かった。前の話で敵対していた人が次の話では主人公となり、視点が逆転し、さらには時代、世の中も移っていく。 本書は応仁の乱(1467年)から始まり、羽柴秀吉が関白になるくらいの年代(1582年天正10年)までが描かれている。京には魔物が住んでいるかのように、皆京を目指し、京にこだわり、京にて倒れていく。その都度京に住まう人々は離散、略奪され、幾度も焼け野原と化す。それでもなぜ皆京を目指すのか。その取り…