中国の四遊記の1つ。八仙が東海を渡って妖魔と戦う物語である。
"世界を平和に"というサンゾー法師の願いを、テンジクのおしゃか様は1/5しか叶えてくれなかった。サンゾー法師はこの星の西側、全体の1/5ほどしか旅をしなかったからだ。祖父の無念を晴らすため、平和にならなかった残り4/5を平和にするため、孫のイチゾーが東からテンジクを目指す!!
作者:酒井ようへい 週刊少年サンデー2004年38号より連載開始 リスト::漫画作品タイトル 漫画 コミック
角銭こそは天明の飢饉の遺子である。 人心も、治安も、経済も――あの空前の凶作以来、すべてが堕ちた。 東北地方、特に津軽のあたりでは、野良着姿の百姓までが、蔬菜の出来を語るのと何も変わらぬ顔つきで、 「老人の肉、死人の肉は不味くてかなわん。ぱさぱさしていて味がない。ちっとも力がつく気がしない」「喰うならやはり、女子供か。味が濃くて柔らかだ」 カニバリズムの品評を交換し合ったほどである。 こういう異常な体験は、もちろん長く尾を引いた。 どころではない。経験者の精神を永遠に、不可逆的に変質させたといっていい。 既に人肉喰いという、最大の禁忌に触れている。 「いまさら盗も付け火も殺人も、などて憚るべき…
そのころ越後福島潟に、妙なやつが棲んでいた。 見かけは、まあ、ごく端的な表現で、巨大な二枚貝である。 殻長およそ三~四尺、120㎝にも達したとのことだから、地球最大の二枚貝、オオシャコガイと並べたところで引けは取るまい。威容に於いて、十分伯仲させられる。 (Wikipediaより、オオシャコガイ) が、妙というのは何もサイズの話ではない。 こいつは高速移動するのだ。 鈍重が種族的特徴の貝殻野郎の分際で。まるで射られた矢の如く、一直線に、水面を。 目撃例は数多い。地元民との遭遇は頻繁に起きていたらしい。 個々の証言を繋ぎ合わせることにより、おおよその生態も判明(みえ)てくる。 多くの貝類同様に、…
(2024/4/24) 『日本怪異妖怪事典 中部』 高橋郁丸、毛利恵太、怪作戦テラ、朝里樹 笠間書院 2022/8/26 <井戸菊の谷の狒々> ・筆者命名。富山県中新川郡上市町伊折の話。 『三州奇談』巻之五に「異獣似鬼」として記されている。 この猅々は風雲を起こして風の中を飛行する。よく人を引き裂いて、投げ散らかして捨てるのだという。 昔、伊折村に源助という樵がいた。彼は大力で足も速く、二、三人の友と山で猟をして獣の肉を食おうと山に入ったところ、一日のうちに猿や狸などを70匹余り、刀を使わず拳で打ち殺してきたというほどの覇気の者であった。ある時、井戸菊の谷という所に樵たちが初めて入ろうとしたら…
(2024/2/12) 『日本怪異妖怪事典 九州・沖縄』 朝里樹 闇の中のジェイ 笠間書院 2023/9/30 <牛鬼(うしおに)> ・福岡県浮羽(うきは)郡田主丸町(現・久留米市田主丸町)の辺りに出たという怪物。 頭や手足は牛、体は鬼の姿をしており、夜な夜な牛馬を盗み、女子どもを攫(さら)った。 <大狒狒(おおひひ)> ・福岡県北九州市伊川村(現・北九州市門司区)の異類婚姻譚。平山釈迦堂の由来譚。 忠兵衛という者が大狒狒退治に行ったが、逆に大狒狒に襲われてしまう。命乞いに娘を嫁にやると忠兵衛は言ってしまう。一人娘は嫁入りを承知し、重い品物を入れた焼き物の壺を狒狒に背負わせて池の側の道を通った…
(2024/2/12) 『<怪奇的で不思議なもの>の人類学』 妖怪研究の存在論的研究 廣田龍平 青土社 2023/12/27 <ゴリラ女房とその仲間> <はじめに――「ゴリラ女房」とその類話> ・沖縄に「ゴリラ女房」という奇妙な昔話がある。ある島の川を探検していた若者のグループがゴリラに襲われ、一人だけ捕まって山奥の群れのところに連れていかれた。ゴリラたちは若者の男性に果物を与えた。それから一年ほど経つと「動物であっても情が湧き出て」、ボスゴリラを妊娠させてしまった。そして子が産まれた。それでも帰りたかった若者は筏を作り、ひそかに逃げようとしたが、見つかってしまった。それを見たゴリラは、置き去…
千年の狐の精,妖妃妲己を迎えた紂王は暴虐の限りを尽くし,都朝歌を恐怖に陥れる.中国古代王朝,殷はまさに滅びようとし,太公望こと姜子牙を軍師に迎えた西岐軍は,昏君紂王を倒し,周王朝樹立のために結集した.人間界で繰り広げられる易姓革命に奇想天外な戦術を持つ仙人たちが活躍する.妖術が激突し,宝貝(秘密兵器)が炸裂する仙界人界入り乱れての大殺戮戦――. 王朝にはそれぞれ寿命があり,その興亡は天命により定められているという.魯迅『中国小説史略』によれば,本書は『西遊記』と同じく神魔小説というジャンルに属する古来のSF小説に分類される.神仙が下界の人間に手を貸し,天命に順う者と逆らう者がそれぞれ用いる神秘…