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道浦母都子

(読書)
みちうらもとこ

1947年和歌山県生まれ。歌人。
高校時代から短歌を始め、早大在学中に短歌誌「未来」に入会、近藤芳美に師事。作歌活動のほか、評論やエッセイも手がける。著書に、『無援の抒情』(現代歌人協会賞、岩波現代文庫)など。

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桜を詠んだ短歌4 鎌倉鶴岡八幡宮の段葛,源平池の桜は,まさに満開.妙本寺の桜も見応えがありましたが,本覚寺の八重桜は早くも散っていました. さくらさくら美(うま)しさくらの幻惑にのめり込めたる日本浪曼派 道浦母都子  わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪ゐる見ゆ 河野裕子   日本的美意識なぞの埒の外咲きたくて桜うすべにを吐く 松平盟子  愛恋はさくらはなびら散りぬれば散りぬるあとの風のなごりよ 紀野恵

今日は,鎌倉鶴岡八幡宮の桜を見に行って来ました. 段葛の桜,源平池の桜,今がまさに見頃.ほぼ満開でした. 宝戒寺,妙本寺の桜も満開.特に妙本寺の桜はなかなか見応えがありました. 本覚寺の八重桜は,かなり散ってしまっていて、やや残念.今年の桜は見頃の時期が短いようです. 桜を詠んだ短歌4 (古今短歌歳時記より) さびしからぬと思ふや桜花の領に入りひとり春たつ祝祭をなす 稲葉京子 桜花の領 たてがみをなびかせ駆け出す馬ありと思わるるまで桜花吹雪ける 松坂弘 石の鳥 さくら花散る夢なれば単独の鹿あらはれて花びらを食む 小中英之 翼鏡 さくらさくら美(うま)しさくらの幻惑にのめり込めたる日本浪曼派 道…

秋草を詠んだ短歌  辞典では,秋草は「秋に花の咲く草」.雑草たちも花は咲かせますから,秋草と言ってもいいのですが---  秋草に置く白露の飽かずのみ相見るものを月をし待たなむ 大伴家持  吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ 文屋康英  今朝のあさの露ひやびやと秋草やすべて幽(かそ)けき寂滅(ほろび)の光 伊藤左千夫  一桶の水うちやめばほろほろと露の玉ちる秋草の花 正岡子規  秋草にうもれて返り咲くつつじ浅間はあはき噴煙(けむり)をまとふ 大西民子

「秋草」ときいて--- 私が思い浮かべるのは雑草たち. 草取りをさぼったわが家の庭には,秋の雑草が生い茂っています. 今年元気なのはイノコヅチ.今まで少なかったのに---.カラムシは近くで見かけたもの. 通りがかった建築用地.エノコログサが全面を覆っていました.風に揺れて光ると,かなり美しいと言える光景. ススキは,勝手に映えてくると雑草ですが,きちんと植えられていたり,生える場所によって鑑賞に十分堪える美しさ. 日本国語大辞典では,秋草は「秋に花の咲く草」.雑草たちも花は咲かせますから,秋草と言っていいのですが--例として「クズ、ススキ、キキョウ、オミナエシ」とあげられると,「観賞に堪える花…

ユウスゲとユウスゲを詠つた詩・短歌  おんめ様(鎌倉大巧寺)に夕菅(黄菅)が咲いていました.黄色の色彩にやさしく,ときには淋しい美しい花.野で出会ったら見とれてしまうでしょう. 「薊(あざみ)の花やゆふすげにいりまじり 稚(をさな)い いい夢がゐた――いつのことか!」(立原道造)  夏の花原の黄菅はあけぼのの山頂よりもやや明うして 与謝野晶子  人恋はばひとを殺(あや)むるこころとは風に乱るる夕菅の花 道浦母都子  わがために優しかりにき野の花の黄すげ夕すげこの夏の花 道浦母都子

昨日・今日と,遠出をする元気が出ない日々.主としてはっきりしない天気のため(:曇,時々しとしと〜ざっーと降る雨). 夕方散歩は,いつものおんめ様(大巧寺). 花が少なくなってきている季節ですが,この小径では,かなり多くの種類の花に出会えます. 八幡通から入ると,小径の両側に沢山のアガパンサス. 他ではなかなか見られない花々も. 秋の七草の中で,最も早く咲く桔梗は6月,女郎花は7月開花が一般的. ユウスゲ(キスゲ).黄色の色彩にやさしく,ときには淋しい,ときには訴えかけるような趣がある美しい花. おんめ様以外で見たことがありませんでした.しかも--- 夕方にしかお目にかかれません.野で出会ったら…

鯉・緋鯉を詠んだ短歌  鎌倉滑川には鯉が生息し,市民に愛されています.鯉は日本人の身近な存在であり続け,縁起の良い魚として親しまれてきました. 宇治川の早瀬落ち舞ふ猟舟のかづきにちがふ鯉のむらまけ 西行  みなぞこにけぶる黒髪ぬしや誰れ緋鯉のせなに梅の花ちる 与謝野晶子  鯉こくにあらひにあきて焼かせたる鯉の味噌焼きうまかりにけり 若山牧水  佐久鯉の骨しゃぶりつつ思い出(い)ず鯉飼いて鯉を食べざりし父 道浦母都子  五月から五月への闇あまたなる真鯉緋鯉がたたまれて越ゆ 今野須美

先日,浄妙寺へ出かけた際,滑川で沢山の鯉を見かけました. 滑川は,鎌倉の中央部の川で,八幡宮をすぎてしばらくすると,金沢八景に抜ける県道202に沿って流れます. 光の加減かもしれませんが,やや赤みがかったもの. 付近の方々が散歩の途中に餌をやっている光景に,何回か出会いました.釣る人もほとんどなく,市民に愛されて大きく育っているようです. このような状況は,鎌倉滑川に特有とは思えません.寺社・公園等の池だけではなく,全国の普通に流れている川にも沢山の鯉が繁殖していると考えてよいでしょう. 実際,街を流れる川が鯉釣り場として紹介されています(例えば神奈川県鶴見川 https://web.tsur…

おんめ様の花/キスゲを詠んだ短歌  大巧寺の小径の手入れの良さと草花の多さにいつも感心します.サツキ,テイカカズラ,ハクチョウゲ,コバノズイナ,ギボウシ,イワフジ,アワモリショウマ,ニオイバンマツリ,ツルアジサイ.そしてマンシュウキスゲ(多分)はキスゲに似た,かわいらしく,かつ,立派な花.キスゲは黄色が美しく,野で出会ったら魅了されそう. 夏の花原の黄菅はあけぼのの山頂よりもやや明(あか)うして 与謝野晶子  ひと恋はばひとを殺(あや)むるこころとは風に乱るる夕菅の花 道浦母都子

昨日夕方,雨の中,鎌倉妙本寺までの散歩の行きがけ,おんめ様(大巧寺)の小径を通りました. 5月に入って,この小径をゆっくり見たのは初めて.いつもながら,手入れの良さと草花の多さには感心させられます. 一番目立っていたのは,5月の定番,さつき. アカシャクナゲはかなり前から咲いていました.ガクアジサイの装飾花はしっかり開いていました, 垣根に絡ませたテイカカズラ.秋には面白い実をつけるはずです. 赤花のハクチョウゲ.白花はあまり目立ちませんが,赤花はしっかりと存在を主張している気がします. 他ではなかなかお目にかからないコバノズイナ.何株も植えられていて,しっとりとした雰囲気を醸し出していました…