仕事の会合が終わって懇親会の席で、私の父のことが話題に出ました。何年前に亡くなったんでしたっけと聞かれて、8年ほど前になります、と答えた瞬間に重要なことに気がつきました。 その日は、ちょうど父の誕生日で、大正14年生まれの父は、昭和と同じ歳を重ねており、存命ならばその日、百歳になっていたのです。これまで、気づかぬまま働いていた宇宙の摂理があって、それに唐突に触れたような、あるいは夜道を歩いていて、大きな星座に出会ったような気分です。 わたくしは死んではいけない わたくしが死ぬときあなたがほんたうに死ぬ (永田和宏『夏・二〇一〇』)伴侶の死に接して、自分は彼女にためにも死んではいけない、と詠うと…