一般的に、人は、日常に広がる世界と接するとき、人間の身体の性質上、直接その世界を認識する事は出来ず、人間の持つ感覚器官や脳の機能によって自分の中に主観的な世界を創って、その主観的世界をフィルターのように通して世界と接していると考えられています。ユクスキュルという人が100年ほど前に発見した生き物の環世界は、生き物は自分たちの持つ特有の感覚の作る世界を生きている、という事を説明しているわけですが、主観的世界はその概念に本質的に似ています。 今回は、その主観的世界を生きているという上で、「感じる」という事と「フィクション」というものがとても大事ではないだろうか、という事について考えていこうと思いま…