本書を読み終えればタイトル「社会正義はいつも正しい」に「そんなわけあるか!」とツッコミを入れたくなるだろう。そう、タイトルは社会正義推進派への皮肉が込められている。 原題はCynical Theories: How Activist Scholarship Made Everything About Race, Gender, and Identity—and Why This Harms Everybodyであり、Cynical Theories、本書の日本語訳から引用すると、冷笑的(シニカル)な〈理論〉に対して批判的なのが本書だ。 では、山括弧つきの〈理論〉とは何か(*原文ではすべて大文字…