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1999年11月25日にKCE東京から発売された、人気恋愛シミュレーションシリーズの第2弾。今作の舞台は前作の舞台「きらめき市」の隣「ひびきの市」である。
ひびきの高校の「伝説の鐘」に祝福されたカップルは永遠に幸せになれる、という言い伝えのもと、このゲームの主人公が大切な人を見つけて鐘の祝福を受けるのが目的。
PCエンジンではマイナーな人気に過ぎなかった『ときめきメモリアル』が、プレイステーションに移植されたことをきっかけに爆発的大ヒットとなり、ゲーム業界のみならず、一般社会を巻き込んで一大ムーブメントを巻き起こした*1。そして、「恋愛シミュレーション」というジャンルが確立され、やがて様々な作品が世に出ることとなり、「恋愛ノベル」などという派生したジャンルも登場し、『ときメモ』はそれら恋愛ジャンルの頂点に立つ作品として、ファンの間からは神格化された。
そのプレイステーション版の伝説的デビューから4年後に発売されたのが、続編である『ときめきメモリアル2』である。
それまでは、『ときめきメモリアル』に登場したヒロインを主役した「サブストーリー」や、ドラマCD、ラジオドラマなどで繋いでいたが、キャラクターを一新した正式な続編が発表されたことにより、ゲーム業界は色めき立つこととなる。
続編制作発表から日が経つにつれ、じょじょにそのベールが脱がされていくのだが、まずはそのボリュームである。前作『ときめきメモリアル』がCD1枚であったのに対し、本作では何とCD5枚組でのリリースが決定。恒例となった「限定版」も発表された。その後はキャラクターの発表、声優陣の発表、高校時代だけではなく幼年期もプレイ可能、ヒロイン同士の関係に変化が生じる、恋愛対象のキャラクターをライバルキャラが奪う、自分の苗字を呼んでくれるエモーショナルボイスシステムを採用……など前作とは一線を画したゲームシステムについての発表が行われ、ファンの期待はヒートアップしていく。
待ちに待った発売日当日。各店でファンが行列を作り、あらゆる店でソフトは完売。限定版においては、通常価格9,800円であるにも関わらず、「観賞用」「保存用」「プレイ用」と3つも購入するようなファンも現れ、店によっては値段が倍に跳ね上がったところもあった。これぞ、ときめきメモリアル信者の底力と言えよう。
そして、購入後何より話題となったのは、インターネット上にこのゲームの舞台である「ひびきの高校」を作り、ゲーム購入者を対象にユーザー同士のコミュニケーションの場(チャット、掲示板)を設けたことである。このサービスは大盛況となったが、サービス終了間近には過疎が進み、様々な問題を孕みながらじょじょに廃れていった。
インターネット上でのサービスには様々な問題を残したが、ゲームとしての完成度は非常に高く、元々完成されていたゲームシステムが更に改良され遊びやすくなっていることに加え、一番懸念されていたヒロイン・陽ノ下光においても、幼馴染、ショートカット、最初からある程度好意を持っている、泣き虫……などの要素がファンに受け入れられ、藤崎詩織を凌ぐ人気キャラクターとなった。また周りのヒロインも、光の親友、不幸娘、巨乳、など個性に富んでおり、どのキャラクターにも熱狂的なファンを持つようになった。
ときめきメモリアルシリーズは、初作とこの第2作を中心に隆盛を極め、今でもこの作品に愛着を持つファンは数多く存在し、タイピングソフトや、サブストーリーシリーズなども多数存在する。
前作のヒロインである藤崎詩織のイメージ像が頭に焼き付いているファンにとって、今作のヒロインである陽ノ下光のイメージに、当初違和感を抱いていたファンは少なくなかった。しかし、愛らしく活発で、その上幼馴染であるという親しみやすさは、新たなファンに見事受け入れられ、光の人気は詩織の人気と同等、またはそれを凌ぐほどの人気を獲得する。
また、光の友人として登場する水無月琴子には、攻略の際に友情を取るか恋情を取るかの岐路に立つ女の心情を加味した物語が用意されているし、八重花桜梨の場合、主人公との出会いから人間不信を克服し、本当の魅力に気付いていく過程を丹念に描いているなど、ストーリー面でも大きく進歩した内容となっている。
他にも、何をやっても上手くいかないけれど、元気で明るい不幸な女の子・寿美幸や、登場キャラクター中ナンバー1の巨乳であり、一人称がボクと愛らしいが、時折見せる怪力とおよそ堅気の人間とは思えないような凄みを持った一文字茜、前作に登場した伊集院レイの妹で、破天荒な伊集院メイ、そのメイに激しく対抗心を燃やす赤井ほむらなど、超個性的なキャラクターが多数登場。
そして特筆すべきは、シリーズ初の年上キャラクターである麻生華澄の存在であろう。幼年期には面倒見の良いお姉さんとして、そして本編では、自分のクラスの担任で教師という設定は、多くのユーザーが心くすぐられた。
もちろん隠しキャラクターも用意されている。麻生華澄の友人であり大人の色気を持つスーパーアルバイター・九段下舞佳。ヒロインの一人である白雪美帆の妹で、高校生とは思えないグラマラスなボディをしたきらめき高校生・白雪真帆。サーカスの花形スターである可憐な少女・野咲すみれの3人だ。
キャラクターデザインには、前作の小倉雅史から、アニメ版下級生や、18禁OVAの作画監督、小説の挿絵などで有名な大塚あきらに変更。アニメーションも、クオリティが格段に向上した。オープニングはもちろん、告白シーンにもアニメーションが使われている。
本作のヒロイン。主人公とは幼馴染で、幼年期は一緒によく遊んだ仲だったが、主人公の引越しよって離れ離れになってしまった。
今でもその時の思い出が胸に残っており、偶然主人公と再会したことで、光の想いは高まっていく……。
光の中学からの親友。気の強そうな美少女。まるでお嬢様のような外見であり、高い身長と長い足で、メリハリのある美しいスタイルをしている。しかし、中身は和の心を愛する少女で無意味な横文字が大嫌いである。
主人公のことは光から中学時代に何度も聞かされていたことなので、二人の偶然の再会をきっかけに、光と主人公が上手くいくことを願っているのだが……。
名前からは想像もつかないような不幸ばかりに見舞われる可哀想な女の子。しかしながら、大きな事故に遭遇しても傷一つ負わないなど、不思議な体験ばかりしている。
悲惨な境遇にも負けない元気な少女。キャラクターグッズ集めが趣味。
両親が長い間旅行に出かけており、一向に帰ってこないため、バイトをして一家を支えているパワフルな女の子。泣く子も黙る兄がいるため、何かと不自由が絶えない。
高校生とは思えないような爆乳の持ち主でスタイルも良いのだが、本人はそれをコンプレックスに感じている。しかし一旦相手を好きになってしまうと、一転して大胆に……。
他人には見えない「妖精さん」と会話するなど、ちょっと不思議な女の子。しかし、その独特の感性からか、占いがよく当たると評判で、学校中の評判を得ている。
全く見分けがつかないくらい似ている妹がいて、たまに美帆と入れ替わったりしているらしいが、誰も気付いていないらしい。
入学式に遅刻をした罰として生徒会長に任命されてしまった不幸(?)な女の子。
およそ女らしさなど持ち合わせてはいないような豪快な性格だが、校長とは馬が合うようである。口より先に手が出るタイプだが、子供には受けが良い。ゴッドリラーというアニメが好きで、犬を飼っている。
スラリとしたスレンダーな長身、スポーツ万能な体系をした彼女だが、なぜか部には所属せず、人との関わりあいを避けて、一人屋上でたたずむことが多い。
どうやら極度の人間不信のようだが……彼女の心の氷を溶かすことができるのか?
ちょっぴりドジだけど、健気で頑張り屋さんの野球部マネージャー。料理が得意で、口癖は「○○だモン!」と少し甘えた感じの喋り方だ。
体系はぽっちゃりしており、本人も気にしてダイエットなどにも取り組んでいる。
あの伊集院家のお嬢様。天上天下唯我独尊、高慢かつ我儘と性格は最悪だが、子供の頃はこんな性格ではなく、非常に素直で可愛らしい性格だったらしい。
電脳関係の知識は半端じゃない。赤井ほむらとは犬猿の仲であり、両者の争いに巻き込まれた場合、命に関わる可能性がある。
主人公と光が幼年期のとき、よく面倒を見てくれた近所のお姉さん。今では、主人公のクラスを受け持つ担任教諭として、主人公たちと接している。
明るく優しい、頭脳明晰、美人・スタイル抜群・巨乳とまさに完全無欠の女性に思えるが、時折見せる沈んだ目は、彼女の何を物語っているのだろうか。
白雪美帆の妹。美帆とは正反対の性格。今で言うところの「ギャル」か。
きらめき高校に通っており、ブランドものが大好きでミーハー。朝日奈夕子と付き合いがあるからか、やっぱり成績は良くない。
高校生とは思えないようなグラマラスな体つきをしているようで、その魔性のスタイルは、夏に海へ出かけて水着になった途端、まわりの男の視線が一気に集まるほどだ。また、年を重ねるごとにそのスタイルは更に成長していく。
美帆との見分け方は、その抜群のスタイルを見極めるしかない?
サーカス団の団長である父の姿を幼い頃より見続け、自分もサーカスの団員になることを夢見て稽古に励むサーカス団の一輪の花。
中学を卒業してから、サーカス一筋なため、普通の女の子がしているような楽しみを味わったことがない。主人公は、彼女に最高の思い出を残してあげることができるか……。
ゲーム史上最強のフリーター。街の至るところでアルバイトしており、主人公の前にも何度か顔を出す。
大人の色気と大きなバストの持ち主で、様々な衣装で街のイベントに参加し、街の男どもの視線を釘付けにする。主人公も例に漏れずだが、もしこれが彼女とのデート中だったら……。
ひびきの高校一のプレイボーイ。可愛い女の子にはとりあえず声をかけ、その愛らしいルックスと巧みな話術で気を惹いていく。
そのためには、女の子の情報を逐一チェックしており、その情報の有益性と信憑度は非常に高く、主人公もお世話になっている。しかし、隙を見せると彼女を取られたりするので要注意。
ひょっとしたら、一人の女性を巡って彼と男同士の決闘をすることも……?
女傑一家に生まれたため、外部の女性に対しての免疫がない純情少年。しかし、剣道一筋に打ち込む硬派な男で、密かなファンも多い。
思い込んだら一直線なのは、女性に関しても同じようだ。極度の近眼。
ひびきの高校校長。豪快な性格で、話の出だしに必ず自分の名前を名乗るのは、まるで某塾の塾長を窺わせる。
しかし、本当は生徒たちの将来を真剣に考えており、人望も厚い。
赤井ほむらとは良いコンビで、いつも一緒に昼寝をしたり、焼き芋を焼いて食べるなどしている。
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*1:これにより、一般社会からは『ときめきメモリアル』=「キモイおたくがやるゲーム」「モテない男がやるゲーム」などの認識として広がっていくわけだけれども。