古典落語の演目の一つ。
若い男たちが一人の家にあつまって、
雑談をしているうちに、怖い物についての話題になった。
それぞれが、蛇や虫、お化けなどの怖いものを次々に挙げて行ったが、そのいずれも怖いと思わないという男が「俺は まんじゅうが怖い。」とつぶやいた。
そして、口に出しただけで気分が悪くなった、と隣の部屋で寝込んでしまった。
他の男たちは、怖がらせてやろうとまんじゅうをたくさん買って来て、寝ている男の枕もとに積んで置いた。
おびえるさまを期待して、そっと中の様子を見ると、「怖い 怖い」と言いながら、積まれていたまんじゅうを食べている。
「しまった。」と思った連中は、彼に「本当は、なにが一番怖いんだ。」と訊ねた。
「本当に怖いのは、熱くておいしいお茶だ。」