第一章:ワイン色の夢 甲府市酒折(さかおり)。山梨学院大学の活気と、古の歴史が静かに息づくこの街に、虎柄の立派な毛並みを持つ一匹の雄猫が住んでいた。彼の名は虎太郎丸(こたろうまる)。 虎太郎丸は、酒折の古い瓦屋根の家に住む飼い猫である。日課は、東側の窓から差し込む朝の光の中で、微睡むこと。彼の寝床のそばには、飼い主がシャトー酒折ワイナリーで買ってきたという、マスカットベリーAのほんのり甘い香りが漂う空き瓶が置かれている。虎太郎丸の瞳は、そのワインの深い色を映したような、琥珀色をしていた。 「ニャー…」 彼は大きなあくびをし、長い尻尾を揺らした。今日は、いつもの庭と縁側を超えて、**「連歌発祥の…