われら闇より天を見る /クリス・ウィタカ― 本屋さんで並ぶ本たちを眺めていると、時々その中に光るように目につく一冊が見つかる時がある。 あっ、と、思わず引き寄せられる本、つい手に取って、その本の背の一体何が光って見えたのか確認したくなる本。この本がまさにそうだった。 どんな話かもわからない。でも題名からしてきっと暗い本だろう。しかもとても厚い。だけど、どうしてもこの本を読んだ方がいいと自分の直感が呼びかけてくる。だから、手に取った。本当はすぐにでも読み始めたかったけれど、落ち着いて読める時期を待った。読み始めたら他のことが手につかなくなるだろうから、とにかく待った。パラパラとめくって読むような…