小児の下気道感染症に抗菌薬を出すのかは、小児科医の永遠(?)のテーマです。「抗菌薬を出さずに治る子も多いけど、そのまま肺炎で入院になる子もいるよ」というのが実感なのですが、そもそも抗菌薬を出せば肺炎で入院になる子が減るのか?ということが重要だと思います。 (抗菌薬を出して入院しても、しょうがなかったと諦めがつきますが、抗菌薬出さずに入院してしまうと、後悔する気持ちはとても良くわかります。) この研究は、英国のプライマリケア(開業クリニック)で、肺炎までは疑わない下気道感染症(いわゆる気管支炎)に、アモキシシリンを処方した結果、症状の改善が早くなるかを検討した研究です。研究デザインは、ランダム化…