3章 1. 行く先も考えずに150円の切符を突っ込み、満員電車の中、 ほんとに良いのか?なんて悩みの欠片すら見当たらず、 ポケットの中からデパスを一錠取り出し、 当たり前のように口に放り込んだ。化学製品の歪な甘さが口の中に広がって、「なんだ、 効かねーじゃん。」なんて思った15分後には、 何もかもがクソどうでも良いって気分になってきた。気に入った。広島駅で降りて、3錠口の中に放り込み、 薬研堀までフラフラ歩いて、一番安い店に入った。 のんより短髪の、 太った50過ぎのおばちゃんがネグリジェ姿でお迎え。金を払って地獄を見てるみたいな気分で、笑いが止まらない。薄暗い湿った部屋の中で風呂に入り、体を…
この本は、完全なるフィクション、・・・だったらいいのにね。 てんしのくびつるしのまちであたまのわるさをたしかめにいこう By Hanadensha - Woo Rock 1. ウチに帰ると、荷物が全部無くなっていた。 クーラーボックスの上に一万円札とレシート、裏には「 来月からお父さんが来るそうです。」って書かれてた。俺なりに何年も、 母親とは必死に頑張って向き合ってきたつもりだったのに、 寂しいもんだ。つい最近まで一緒に買い物行って、 料理を教えて貰ったりしてたのに。引っ越すことは、なんとなく知ってた。でも、 こんなに早いとは知らなかった。 新しい住所も母親の電話番号も分からないまんま、 俺…