「黒崎さん、合格したって」 萌花のLINEに連絡が来たらしい。 前後して、私の携帯に着信。 キンパッつぁんからだ。 「黒崎が、第一志望に合格しました」 芸術学部の演劇学科。 彼女の受験直前に、私が事故にあったので ほっとすると同時に、申し訳ない気持ちになる。 「いや、肝心なところで、お役に立てずに」 「そんなことないです。本人も感謝してます」 自分に自信を持ちなよ。 私にできたことは、そう言って、その手助けをすることだった。 やんちゃで反抗的で、うまくいかないのは他人のせい。 黒崎樹里亜は、 そんな過去の自分を責めていた。 でも、 過去は過去。消せはしないが、過ぎたこと。 やんちゃが過ぎて、 …