高橋健太郎 謎多きリー・ペリーに迫る評伝『ピープル・ファニー・ボーイ』 ジャマイカ音楽の歴史とその特異性を知る上で、リー・ペリーは最も重要な研究対象になる。しかし、ペリーほど分かりにくい、捉えにくい人物もいないかもしれない。 2008年に邦訳されたデイヴィッド・カッツによるリー・ペリーの評伝『ピープル・ファニー・ボーイ 反逆の芸術・レゲエの奇才・リー“スクラッチ”ペリー』の第一章のはじめには、ペリーが自身を語る言葉がある。アーティスト、ミュージシャン、コンポーザー、シンガーに加えて、マジシャン、スーパーマン、そして最後には宇宙人、オレは宇宙人なんだと、ペリーは語っている。 『ピープル・ファニー…