ミヒャエル・ハネケ監督の97年の出世作。第50回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式作品。 ある一家がバカンス先で皆殺しゲームに巻き込まれるという、暴力的な内容が様々な物議を醸し出した問題作。
この「ファニーゲーム」の後、ミヒャエル・ハネケ監督は「ピアニスト」で2001年カンヌ映画祭のグランプリ、主演女優賞、主演男優賞の3冠を手にすることとなる。
ファニーゲーム [DVD]
批評 スタッフ・キャスト 批評 題名のようなファニーなゲームは全くない、極めて不快になる映画となっている。 今作の大まかな内容は、「とある一家が別荘で青年二人組に命を狙われる」というサスペンス劇だ。 命が狙われていると言っても逃げられるような隙は与えられない。 劇中のほとんどは二人組によって一家が攻撃されたりする、見ていて不快な場面だ。 二人組は面白いゲーム(ファニーゲーム)と言っているが、主人公たちしかり視聴者は全くそうではない。 もはや視聴者は今作の結末を予想できるかもしれない。 しかし、話が進むにつれて視聴者が絶対に予想できないような展開がある。 それは映画の掟破りと言えるような、最悪な…
「明日の朝9時までに あなたたちを殺せるか否か」 「ゲームをしよう」 原題は 「Funny Games」(面白いゲーム) 噂にたがわず凄い映画でした 休暇中の幸せな家族の別荘に2人の青年が訪れ 金目的でもなく、怨恨があるわけでもない その家族を殺していくというサイコスリラーですが 殺戮シーンもなければ、レイプも女性の裸さえない 私たちが映画に求める「過剰な過激」さや 「極限下で命さながら助かる」とか「都合のいい奇跡」を 全て排除しているのです この映画に君たちが期待しているものは何もないのだよと それどころか、残るのは不快感だけ じゃあ何を目的にしているのかと、あえていえば 生まれながらのお金…
ときどき無性に『ファニーゲーム』(ミヒャエル・ハネケ)のオープニングが観たくなる。郊外の道をボートを牽引しながら走るSUVを、緩やかなピッチのオペラ音楽を背景に捉え続ける。車内へカメラが移ると、別荘地へ向かう三人家族の姿。父親と母親が曲当てゲームをしている。後部座席の子供は少し身を乗り出し気味に両親を見比べる。と、唐突に赤い字のタイトルバックがカットイン、BGMがNaked Cityの"Bonehead"に切り替わる。山塚アイの叫びが何気ない幸福な一幕を緊張させる。家族が湖畔の別荘地に到着して隣人の家の前に停車すると、ピタッと音楽はやむ。 本編導入部が観たかったのだからここまでで満足してDVD…