Dick, Philip Kindred
SF作家
映画ブレードランナーの原作者(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(ハヤカワ文庫SF))としても有名なカルトSF作家。
他にも、トータルリコール(追憶売ります)、スクリーマーズ(変種第二号)、マイノリティ・リポート(少数報告)などが映画化されている。
哲学的な問題を多く含み、生涯「偽者・本物」というテーマを追いかけた。作風的にも内容が古くならず、今後も読みつづけられていく作家だと考えられる。(ディックブーム五年周期説というのが過去にあった)
独自の世界感と高いユーモアセンス、思わず感情移入してしまう登場人物たちなどが魅力的。
アイデアを元に作品を組み立てる作風で、短編同士を結合させて長編を作っているパターンが結構多い。その意味でも、短編集から読まれるのも良い選択。長編では破綻している作品もかなりある。
早川文庫が「破綻の少ない代表作」を主に紹介していたため、末期のサンリオ文庫で比較的できの悪い、カルト的な長編が大量に紹介された。その大半は創元SF文庫で再刊された。
なお、創元SF文庫は一時、「ディックの未訳のSF長編をすべて出す」と宣言していたが、その雄図は途中で断念された。
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