この映画は敗者3部作(「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」)の最終作に当たる作品。 敗者3部作は文字通り人生の敗者が描かれるが、前2作は敗者の苦しみの中にユーモアを散りばめた作品に対し今作はユーモアを徹底して排除している。 ストーリーも希望に繋がる前2作に対して今作はとても暗い。 容赦なくコイスティネンを絶望に叩き落す。 でもほんの僅かに見える光をコイスティネンは最後の最後に見つけ出す。何もかもが上手くいかなくても心が暗闇でなければ光は射す。 この作品にもカティ・オウティネン演じるイロナは登場する。 「パラダイスの夕暮れ」でレジ打ちをし「浮き雲」ではレストランのオーナーになったイロナが「街…