Fortepiano
初期のピアノ総称。 現代のピアノ(pianoforte)とは音色、音量、鍵盤数等が大きく異なるため、区別してこう呼ばれている。 ハンマーフリューゲル(Hammerflugel)と呼ばれる場合もある。 モーツァルト、ベートーヴェンらが実際に使っていたピアノはこのタイプである。
チェンバロ フォルテピアノ
2025年5月3日の午後に、神奈川県逗子市内のギャラリーで1817年生まれのフォルテピアノとの朗読ライブを開催します。 詳細は随時追記・更新してまいります。
シミルボン投稿日 2020.10.04 チェンバロ フォルテピアノ 作者:渡辺 順生 東京書籍 Amazon 私は1980年代後半からクラシックを聴き始めたのだが、その頃は古楽の黄金時代で、何かしら新しい発見が次々と紹介されていた。私は聴き始めに、レオンハルト様のフーガの技法に出会い、衝撃を受けたので、もっぱらバロック音楽やルネサンス音楽を収集していた。古楽の有名人も次々と来日し、私もレオンハルト様、ビルスマ様、コープマン様などとお会いできた。良い時代だったと思う。 昔話はともかく、本書は日本のチェンバロ界の第一人者がまとめた13世紀から18世紀に及ぶ鍵盤楽器(オルガン除く)の網羅的な歴史書。…
https://www.rokkatei.co.jp/wp-content/uploads/2022/08/221127.pdf ↑今回の演奏会チラシです。 ※pdfファイルです。 今回(2022/11/27)のふきのとうホール主催公演は、「オリジナル楽器で聴くブラームス」の第2回目です(第1回は2017/07/04)。ブラームスの時代に一般的だった、フォルテピアノとガット弦を張った弦楽器による演奏。大好きなブラームスの室内楽を、作曲当時のものと近い楽器による演奏で聴ける!とあって、私は企画発表当初から楽しみにしていました。 オリジナル楽器で聴くブラームスⅡ 佐藤俊介×鈴木秀美×スーアン・チャ…
毎年、同じ場所の写真です。名古屋市千種区の平和公園の散策コース。神奈川の自宅でノンビリ自堕落な生活をして体が鈍ってきたので、久しぶりにゆっくりと歩きました。気持ちの良い季節になりました。秋ですね。2022年10月6日、撮影。 10月9日(日)、久しぶりに宗次ホールに。 「川口成彦、フォルテピアノ・リサイタル」。フォルテピアノの演奏を生で聴くのは初めてでした。パンフレットに記載されていた川口さんのメッセージ、「フォルテピアノ、18世紀から19世紀の古いピアノ、に初めて触れた時にピアノという楽器は『鍵盤楽器』である以前にハンマーで弦を叩いて音を出す『(打)弦楽器』なんだということをより一層鮮明に感…
もうかなり前に、モーツァルトの手掛けた作品ジャンルの一つとしてヴァイオリン・ソナタの概略は述べた一方、このジャンルに属する個別の作品についてはまだ取り上げていないことに気付いたので、今回はそれを果たすべく、「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 K.454」をご紹介したいと思います。 mozart-cafe.hatenablog.com モーツァルトはこのジャンルの作品を数多く残しており、作曲年代についてもほぼ全生涯にわたっていること、およびモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、そのほとんどが音楽を愛好する貴顕――特に淑女――への贈り物として、何曲かまとめて作曲されているということは、…
ベートーヴェンの演奏を聴く友人たち 中期の最高傑作 今回は、ベートーヴェンのピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品57《アパッショナータ(熱情)》を聴きます。 ベートーヴェン中期の頂点を極めた、最高傑作とされています。 《悲愴》《月光》と並び称して、ベートーヴェンの〝3大ソナタ〟とされていますが、傑作は《ワルトシュタイン》など他にもたくさんあるので、〝3大短調ソナタ〟あるいは〝3大人気ソナタ〟といったニュアンスと思います。 作曲は、1804年あたりから、オペラ『レオノーレ(フィデリオ)』と並行して作曲され、1805年には一応完成し、出版交渉に入っていますが、その後もベートーヴェンはこの楽譜を持ち…
ワルトシュタイン伯爵の紋章 祝!!反田恭平さん、小林愛実さん 第18回ショパン・コンクール、反田恭平さん2位!、小林愛実さん4位!の快挙、おめでとうございます!! ヨーロッパの音楽に対する日本人の表現が、ここまで評価されるのは本当にうれしいことです。 クラシック音楽は民族の歴史や精神を背負っていますから、それを外国人が表現するのは並大抵のことではないはずです。 ヨーロッパ人が能や歌舞伎を演じるようなものですから。 パリの最新ピアノを手に入れて さて、このブログは引き続きベートーヴェンです。 ハイリゲンシュタットの苦悩を乗り越えたベートーヴェンは、再びピアノソナタの創作に打ち込みます。 ピアノコ…
フランソワ・ブーシェ『夏のパストラル』 もうひとつの〝田園〟 ベートーヴェンのピアノソナタをさらに聴いていきます。 前回の〝月光ソナタ〟の次の作品は、第15番 ニ長調 作品28〝田園〟です。 ベートーヴェンの〝田園〟といえば、シンフォニー第6番ですが、ピアノソナタにもあるのです。 1808年に作られたシンフォニーの方は作曲者によって『シンフォニア・パストラーレ(田園交響曲)』『田舎の生活の思い出』と題されていますが、この1801年に作曲されたこのソナタには、ベートーヴェンは何も標題はつけていません。 例によってベートーヴェンの死後、1838年にハンブルクの出版社クランツが楽譜に『ソナタ・パスト…
テーマは何か? ベートーヴェンの2曲セット『2つの幻想曲風ソナタ 作品27』の2曲目が、有名な〝月光ソナタ〟〝ムーンライトソナタ〟です。 ピアノソナタといえばまずこの曲の名が思い浮かぶ、ソナタの王者です。 まさに降り注ぐ月の光のように幽玄な第1楽章。 短いけれど憧れで胸がいっぱいになる第2楽章。 地獄から湧き上がるかのような激しい情念に圧倒される第3楽章。 この曲の与えるインパクトの強烈さから、ベートーヴェンがなぜこの曲を書いたのか、彼はこの曲にどんな思いを込めたのか、作曲当時から作曲者の死後に至るまで、様々な説、解釈が唱えられてきました。 いわく、叶わない恋へのやるせない思いをぶつけた。 い…
矛盾した?タイトル 前回に続き、ベートーヴェンの〝実験期〟のピアノソナタを聴いていきます。 1800年から1802年にかけて作られた2曲のソナタ「作品27」は、特に『幻想曲風ソナタ Sonata quasi una Fantasia』と名付けられ、1802年に出版されます。 幻想曲(ファンタジア)は、モーツァルトも何曲か書いていますが、曲の内容が幻想的、ファンタジック、という意味ではありません。 形式にとらわれず、作曲者の自由な発想、想像力のおもむくままに作られた曲、というニュアンスのジャンルです。 若きベートーヴェンがウィーンにピアニストとしてデビューして喝采を浴びたのは、即興演奏でした。 …