映画『ケイコ 目を澄ませて』公式サイト ショーン・ペンの新作に続いて、こちらも16㎜での撮影による映画。 ペンが記憶装置としてのフィルムのざらつきを選んだのに対して、本作は画角もスタンダード、確信的に映画そのものの原点回帰を目指している。まして聾唖のボクサー、手話での会話を黒バックに白抜きの字幕でカットに割り込ませるというサイレント映画の手法まで採用している。更にさらに、キャメラは殆どフィックス、小津か加藤泰かという動きの無さ。どこで動くのだろうと息を詰めて見守ったが、あっと声を出しそうになる程生理的に的確な動きを見せる。東京の下町のロケーションもまた成瀬巳喜男の匂いがする。路地の低い階段の上…