日本の伝統産業であり「國酒(こくしゅ)」とも称される日本酒。近年は純米酒や吟醸酒といった特定名称酒など高付加価値商品の消費が伸びているものの、総量としては減少傾向にある。その背景には少子高齢化や人口減少、ライフスタイルの多様化などの消費者側の変化があるほか、担い手の高齢化や人手不足、ノウハウの継承など、製造側も深刻な課題を抱えている。現に日本酒(清酒)をおもに製造している事業者の数は、2010年から2020年までの10年間で1,736から1,550と、じつに200弱も減少している(※)。 減少しつつある酒づくりの担い手と文化の継承をいかにおこなうべきか。その問題にデジタルを駆使して取り組む酒造…