はじめに エリック・リースの「リーン・スタートアップ」を読んだ (Ries 2011)。 この本が2012年に日本で刊行されたとき、私の周囲でもこの本は話題になっていたのだが、当時私は、「リーン・スタートアップ」を、昔から知られている概念を別のキーワードで語り直す『車輪の再発明』系の概念に感じたこともあり、それほど注目していなかった。 その後、2010年代後半頃に、「MVP(Minimal Viable Product: 実用最小限の製品)」や「Pivot」という「リーン・スタートアップ」に登場する概念を使うスタートアップ企業の経営者や投資家、大企業の中の新規事業開発の責任者などと接するように…