(原題:La Bête / 2023年製作 / 146分 / ベルトラン・ボネロ監督 / フランス・カナダ合作) ※本記事は映画『けものがいる(La Bête)』のネタバレを含みます。また、記載されている考察・解釈は筆者個人の見解です。 ベルトラン・ボネロ監督による本作『けものがいる』は、2044年・2014年・1910年という3つの時代を行き来しながら、一組の男女の転生と魂の連続性を描く壮大な物語だ。 この映画が問いかけるのは、「何が人間を人間たらしめるのか?」そして「“けもの”とは何なのか?」という人間にとって根源的な問題である。 時代ごとのあらすじ ▶ 2044年・パリAIが社会を支配し…