「バンコックの正式名称を何というか御存知ですか」 「いや、知りません」 「それはこういうのです。 クルング・テープ・プラ・マハナコーン・アーモン・ラタナコーシン・マヒンタラー・シイアユタヤー・マフマ・ポップ・ノッパラー・ラッチャタニー・プリロム」 「どういう意味です」 「ほとんど飜訳不可能ですね。それはここの寺々の装飾のように、徒らに金ぴか、徒らに煩瑣な、飾りのための飾りにすぎないのですから。」 三島由紀夫『暁の寺(豊饒の海・第三巻)』 4泊6日でタイに行ってきた話。 豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫) 作者:由紀夫, 三島 新潮社 Amazon 1日目 成田からスワン…