中野哲平

デジタルマーケティングやビジネス分析を行う上で、ROAS、CAC、LTV、CVRといった指標は欠かせません。これらの指標を適切に理解し活用することで、広告の最適化や顧客価値の最大化を実現できます。 本記事では、それぞれの指標の意味・計算方法・改善策を詳しく解説します。 1. ROAS（Return on Advertising Spend）とは？ (1) ROASの定義 **ROAS（広告費用対効果）**は、広告投資がどれだけの収益を生んだかを示す指標です。 ✅ 計算式： (2) 具体例 例えば、10万円の広告費を投じて、50万円の売上を得た場合： つまり、広告費1円あたり5円の売上を生んだこ…

1. カイ二乗検定の対象データ カイ二乗検定は、カテゴリデータ（離散データ） を対象に適用されます。数値データではなく、グループ分けされたデータ（性別、職業、アンケート結果など）に対して使います。 (1) 適合度検定の対象データ 適合度検定は、「観測データが理論的な分布と一致しているか？」を調べる検定です。 対象データ例： サイコロの目の出現頻度が均等か？ 顧客の年齢層分布が期待通りか？ 例：サイコロの出目（理論 vs 実測） 出目 理論的な期待度数 実際の観測度数 1 50 45 2 50 55 3 50 47 4 50 49 5 50 52 6 50 52 カイ二乗検定を行うことで、サイコ…

統計学では、データの特性を分析し、異なる集団や変数の関係を評価するためにさまざまな仮説検定が用いられます。その中でも、t検定、カイ二乗検定、F検定は特に頻繁に使用される統計手法です。 本記事では、それぞれの検定の目的・使い方・適用場面の違いについて詳しく解説します。 1. t検定とは？ (1) t検定の概要 t検定（t-test）は、2つのグループの平均値を比較するための統計的検定です。 ✅ 目的： 2つの集団が統計的に有意な違いを持つかどうかを検定する。 ✅ 前提条件： データが正規分布していること。 2群の**分散が等しい（等分散）**こと（等分散を仮定しないt検定もある）。 ✅ 代表的な…

# NoSQL（Not Only SQL）は、従来のリレーショナルデータベース（RDB）とは異なる設計思想を持つデータベースの総称です。特に、スケーラビリティや柔軟なデータモデルが求められる場面で利用されます。 本記事では、NoSQLの概要を説明し、代表的なデータベースである**MongoDB**と**DynamoDB**をPythonで操作する方法について解説します。 --- ## **1. NoSQLとは？**### **(1) NoSQLの特徴**✅ **スキーマレス（Schema-less）**：データの構造が固定されていないため、柔軟にデータを格納可能。 ✅ **水平スケーリング（S…

「脳とAIの交差点で、新たな未来を描く」 聞き手：医学部新聞・山中 山中: 今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まずは慶應医学部をご卒業された後、研究者を目指すことになったきっかけについてお聞かせください。 中野: こちらこそ、ありがとうございます。私はもともと医学部に進学した時から「脳」に強い関心がありました。実はその興味は中学生の頃から芽生えていたんです。中学2年生の自由研究で「脳の記憶の仕組み」について調べました。当時は専門的な知識もなかったので、図書館で脳科学の本を読み漁り、実験としては簡単な記憶力テストを家族や友人に行い、どのような条件で記憶力が向上するのかを観察…