訓読 >>> 651ひさかたの天の露霜(つゆしも)置きにけり家(いへ)なる人も待ち恋ひぬらむ 652玉守(たまもり)に玉は授けてかつがつも枕と我(わ)れはいざふたり寝む 要旨 >>> 〈651〉外を見れば、天から降った露が庭の地面に置いています。こんな寒い夜に家にいる人は、あなたを恋しくお待ちしているでしょう。 〈652〉大切にしていた玉はそれを守ってくれる人に託して、何はともあれ、私は枕と二人で寝るとしましょう。 鑑賞 >>> 大伴坂上郎女が、次女の二嬢を嫁がせた時に、娘の夫である大伴宿祢駿河麻呂(おおとものすくねするがまろ)に贈った歌です。駿河麻呂は同じ一族の男で、安麻呂(郎女の父)の兄御…