文筆家(歴史家・人文学者)。建築史・意匠論から風俗史・風俗評論まで、その射程は広い。常に読者の死角へ回り込み、読者の先読みをはぐらかしつつ進む独特の文体は、デビュー作である『霊柩車の誕生』から一貫している。サントリー学芸賞(1986年度。芸術・文化部門。『つくられた桂離宮神話』を中心とした業績による)受賞に際しての論争は、その後の読書界における氏の評価を先取りしている。
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出身都道府県による、人のキャラクターっていうのはあるような気がする。それが強い人もいれば、弱い人もいる。だが、なんで地域によるキャラクターが出るんだろう?そのコトを説明するのは一筋縄ではないけれど、そこは面倒くさいので雑にパスして雰囲気で語る。 別に論文を書こうとしているワケではないのだし、文化論を展開しようとも思ってはいないのだから。 京都出身というと、これはもう・・・どこかにプライドが隠れている。だが、意外と屈折している内情については「京都ぎらい 朝日新聞出版 井上章一 著」という本を読めば書いてある。というか、著作者の屈折感が表出していると思うのだった。 この井上さんと似たような感じで、…
今日も読書感想。 ふつうの人々は戦乱をどう生き延びてきたか。 4人の歴史家が白村江、応仁の乱、 大坂夏の陣、禁門の変(蛤御門の変)について、 それぞれ語ります。 戦乱と民衆 どの話も面白かったけど、 後半の座談会で井上章一先生が登場して、 「京都ぎらい」が炸裂するのが楽しいです。 先の4つの戦乱のほかに、 京都は1945年に空襲を受けています。 3月には「戦時家屋強制疎開」が行われ、 防火帯を設けるために堀川通、御池通、 五条通にあった民家は解体撤去され、 通りは一気に拡幅されました。 それが下の地図です。 東西の御池通と五条通、南北の堀川通、 3つの通りがつくる形は、 カタカナのコの字の逆、…
23年刊、新書。55年京都生まれ、ずっと京都くらし。 3冊目位か・・建築史、風俗史研究者。読みやすい。 幾つか知識が得られる。 〇空港名は、都市名をつける規約があるという。 関西国際空港は異例。海外では関西の名は見ない。大阪となっている。 伊丹空港は都市名。 〇ブラジル、リオで3か月仕事でくらした。04年頃。 TV番組に驚いた。宗教番組が多く儀式、パフォーマンスなど、 日本では放送できないような内容。思わず見てしまう。 ブラジルは新興宗教が盛ん、成長の家、創価学会、PL教団。 どこに魅力があるのか・・ カトリックの国なのにね・・ 〇カトリックは新興宗教をとがめない。ブラジル、人口の大半はカトリ…
朝お出かけすると、たまに日文研へ出勤途上と思われる井上章一所長とすれ違うことがある。その井上先生が、講談社選書メチエ創刊30周年記念の冊子『執筆者150人が選んだ524+冊:1994~2024年ベストセレクション』(講談社)の「私が選ぶ選書メチエの『この一冊』」に寄稿していた。選んだ講談社選書メチエは、京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史:儚きスペクタクルの力』(平成29年9月)であった。同書は私も「跡見花蹊が観た明治20年の工科大学校における活人画ーー京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)への補足ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及していて、明治20年3月工科大学校で開催された…
甲辰年五月三日。気温摂氏14.9/25.8度。晴。 水戸桜川千本桜プロジェクト主宰されてゐる稲葉寿郎氏の「桜川・千三百年の桜文化史」の講演を聞く(水戸市国際交流センター)。古へには常陸國風土記に筑波の花見についての記述あり。吉野より昔からの桜の名所。そして謡曲にもある櫻川。紀貫之も さくら河といふ所ありとききて常よりも春へになればさくら河波の花こそまなくよすらめ (後撰和歌集) と詠んでゐるが櫻川を訪れたこともない貫之がなぜ櫻川を知りえたか。祖父・紀本道は下野守で叔父からの嫡系は土着(後の益子氏)。万葉集にも筑波山頻繁に登場。古今集の仮名序にも(貫之)。和歌での筑波と櫻川の定着。連歌(二条良基…
京都の町中には「滋」という字を見て「ゲジゲジ(ゲジ)のようだ」と滋賀の人をおとしめる、困った人たちがいはりますね。かつては京都を日本の真ん中に据えた地理秩序というものがありました。「都の近くにある江(うみ)」=「近江」もそう。今やそうした都を敬う地理感はほぼ無くなったのに、気の毒なことに滋賀の場合、偉そうな京都人の近くにいるせいでいまだに偉そぶられている。 京都市西部の嵯峨で育ち、差別意識など全く無かった私に、より西側の亀岡を見下す意識を植え付けたのも京都の町です。そんな自分が不愉快で嫌で、でもやめられない。四季ごとに京都を案内するテレビ番組で会う滋賀県出身の西川貴教さんは「京都、好きですよ」…
第4章 京都とパリの魅力、都市史パリの不動産は外国人には理解できないくらい複雑。土地と上物である建物と、その建物のフォン・ド・コメルス(商業利用権)が別p152東京では飯田橋と神楽坂が「東京のパリ」と言われている。その理由の一説として、真ん中に、川ではないが旧お堀があり、右岸・左岸というイメージがあるから。p175-176(そういえば、東京で通っていたフランス語学校は飯田橋にありました)日本の建築は、幕府の統制から離れ「表現の自由」を獲得した。ヨーロッパの都市部では、いまだにあり得ない「自由」を。ヨーロッパの建築家を大阪の道頓堀に連れて行くと、みんな感動する。東京の隅田川沿いの金色の変な形のオ…
京都、パリ この美しくもイケズな街 表紙 京都、パリ この美しくもイケズな街鹿島茂 井上章一 著プレジデント社 発行2018年9月28日 第1刷発行鹿島さんと井上さんによる、京都とパリについての対談集です。第1章 京都人パリジャンの気質フランス人の名前の「ドゥ(de)」「帯剣貴族のフィエフ(封地)」を示すための前置詞貴族の印だが、19世紀になると、貴族でもないのに文学者たちのなかには、オノレ・ド・バルザックのように勝手にドゥを付ける人も現れる。法服貴族の方は、ドゥがなくても貴族。p23パリは昔から金融ブルジョワの街だった。徴税請負人などの大金持ちが、外国債とか債券に投資しながら代々生きてきた。…
オタク息子の同級生Aくんが、京都大学に合格しました!地元民でもなかなか行けない京大!でも、Aくんは小学生の頃からずば抜けて賢かっただけに「ああ、やっぱりね」という思いが。 Aくんのお家は創業100年余、知る人ぞ知る某伝統産業のお店(もちろん皇室御用達)。Aくんは次男さんでお兄ちゃんの長男さんは東京の大学へ行ってはります。ん? 京都ネタで本も書いてはる井上章一先生の文章を、東洋経済オンラインで見つけたので転載しておきます。 井上:実を言うと、京都大学の学生に、あんまり京都市民はいないんですよ。多分1割もいないと思います。ましてや、創業寛永何年とかいうようなお家のボンは、数えるほどしかいない。でも…
一条真也です。29日、東京に飛びます。全互協のグリーフケアPT会議や全日本仏教界の新年賀詞交歓会などに参加します。『プロレスまみれ』井上章一著(宝島社新書)を読みました。著者は1955年、京都府生まれ。京都大学人文科学研究所助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、同教授。専門の建築史・意匠論のほか、風俗史、美人論、関西文化論など日本文化について広い分野にわたる発言で知られています。『霊柩車の誕生』という名著もあり、わたしは同書の内容をめぐって著者と対談したことがあります。対談集『魂をデザインする』(国書刊行会)に収められています。 本書の帯 本書の帯には著者の写真とともに、「井上式の発想、…