不思議な感触の小説だった。 ネットのどこかで評判を見かけて、気になったので図書館で借りてみた。 なので、著者のことも知らないし(芥川賞を受賞していたらしい)、どんな小説か(野間文芸新人賞を受賞したらしい)もほぼ無の状態で読み始めた。 感触について例えるとしたらグミのようだと思った。 自分は関東育ちなので、表題作の関西弁(大阪弁?)の語りは、別世界のようだ。 日常を描くような語り口は、保坂和志をちょっと連想するが、物語としては全く異なる。 表題作は児童養護施設に暮らす少年が主人公で、施設に暮らすことになった経緯は全く説明されず、親しいもう一人の少年は女性の先生からセクハラを受けている。 言葉にす…