早川書房勤務を経て、雑誌のデータマンを長く続けたあと、女子プロレスの世界で生きる三人の少女にスポットを当てた『プロレス少女伝説』(かのう書房、90年)で九一年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。家田荘子氏との同時受賞に、初の女性独占と騒がれた。選考委員の深田祐介氏は、「二人の作品に共通するのは肉声が直接響いてくること」と高く評価、「女性の時代の到来を感じた」と述べた。
九三年には残留孤児二世の苦難の生活を描いた『小蓮の恋人』(文藝春秋、92年)で講談社ノンフィクション賞も受賞。「他の人がやらないことを、なぜやらないのかわかるまでやる」という「我慢強さ」が信条。空しい時代を封印せずに記録することこそ、その時代を克服するうえで必要、と信じる正統派のノンフィクション作家だ。
『十四歳』(講談社)
『プロレス少女伝説』(文春文庫)
『もうひとつの青春 -同性愛者たち』(文春文庫)
『小蓮(シャオリェン)の恋人 -新日本人としての残留孤児二世』(文春文庫)
『温泉芸者一代記』(かのう書房)
『フォーカスな人たち』(新潮文庫)
『いつまでもとれない免許』(集英社) *しりあがり寿氏のまんが付き。
『かくしてバンドは鳴りやまず』(リトル・モア) *逝去後、絶筆となったシリーズをまとめたもの
URL:http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20020408ii01.htm