介護の現場に立っていると、「感謝」という言葉の重みと、その力を日々実感します。 それはただの「ありがとう」ではなく、時に目に見えないやさしいエネルギーとなって、人と人の間を静かに、でも確かに繋げてくれるものです。 老人ホームで働く中で、私が何よりも心を打たれる瞬間は、「ありがとう」という言葉が交わされる場面です。 それは入居者様から職員に向けてだけではありません。入居者様同士の会話や、ご家族と職員のやり取りの中にも、深い感謝の気持ちが流れていることがあります。 たとえば、ある日、普段は無口な入居者様が、同じテーブルの方に向かってぽつりと「今日も一緒にご飯食べてくれて、ありがとうね」と言ったので…