上演も終り、スタッフが全員帰った区民会館の舞台袖 天井に近い壁の上方には横長い窓 照明は全て落とされ 月明かりの光線が 空中に舞うほこりを見せ 私はその流れをぼんやりと眺めた 遠くからかすかに響く足音 管理人の巡回か? 早足だ、一体何を急いでる? 私は捕食者を恐れる小動物のようでもあり、 獲物を待ち受ける殺人者のようでもある 何に使うか不明なケーブルが詰め込まれた 巨大なダンボールの影から2つの眼がのぞく 私は、私が私を眺め、この後出会うことになる 予感がしていた 驚くべき鼓動の速さと冷静さ、 思考の丹念さ、 私は自業によって虐げられる立場であり、 防衛の一生懸命さによって攻めの姿勢を 取らさ…