医者である彼は、実は漢方がお手のものだ。西洋医学を先行させながら、アバウトな感じの漢方をうまく使って,人々の緊張を解きほぐすーただ話を聞いて手を握るぐらいでも患者は安心してプラセボ的にも、半分ぐらいは治っていると豪語する。 確かに新見の意見は、今の病院医療とは場違いなものだ。彼の意見は我々が普段思っているが、表立って迂闊には口に出せないようなことである。 こんなことはしたくないー検査はしたくないとか、先生の処方薬は飲みたくないとか、その治療は間違ってるから受け入れられないとか、看護師の雰囲気が悪いとか、売店の雰囲気がきらいとか、もういっぱいあるのである。 だがそれは当然の話だと、新見は言い放つ…