使える余地と好みが合えば、誰かの使っていたものを買うことがある。CD、書籍、家すらも。先日、スピッツのアルバム「三日月ロック」を購入した。中古品だ。帯はなかったけれど、折り目のないブックレットにアルバムを引っさげての当時のツアーパンフレット、アンケートはがきまでそっと挟まれていた。リリースは2002年、しかし、この状態の良さである。あまり聴かれなかったのか、どこかにしまわれていたのか。自分で買ったのか、誰かにもらったのか。どうして手元に置こうと思ったのか。もしかしたらとんでもないものを背負っているかもしれない。しかし、ここに来るまでに「人」を経ていることに変わりはない。物がたどった、小さな歴史…