朝、ウォーキングをしていると、 いつも同じ時間に反対側の歩道を 走っている男性とすれ違います。 毎朝、 あの独特な走り方が目に入ってきます。 彼は、少し左に傾いた体で走り、 左手はほとんど動かさず、 右手だけを懸命に振っています。 顔は険しく、視線はただ真っ直ぐ 前方の一点に向けられ、 周りの景色など気にする 余裕など無いようです。 正直に言うと、その走り方はカッコよく 見えるものではありません。 けれど、その真剣な表情と力強い動きには、 何か特別なものを感じさせるのです。 いつも通りすがりにふと、 「あの人も、きっと何かを乗り越えている 最中なんだろうな」 と思ってしまいます。 勝手な想像で…