元禄15年2月25日。今年は菅公の800年忌なので、霊岳院も19日からこの日まで開帳が行われる。申刻(午後3時)、渡辺平兵衛は用務で河村九郎右のところへ馬で出かけた。橦木町一色伝右の前でめまいがしてふらつき、めまいがすると言い始めた。このため抱え下し、雑賀藤右の腰掛(詰所)で休憩し、水などを飲んだ。乗物を取り寄せ、それに乗って帰った。亥(午後9時)まで乗物の中にいたが、看病に不自由なため外へと出して横たえた。夕飯にはもつく(もずく)汁・こゑび・ささひ(?)などを食べたが、何度も吐き戻した。よだれに交じってもつくを多く吐き出した。最初からしゃべらず、人を見つめてボーっとしていた。医師はこれは中風…