トラウマ、といっても、私の場合はただのわがままの結果だろうか。相手ひとりに対しての思い出が、楽しかったことより哀しかったことの方が上回る。思い出せる誰でもそうだし、特に元恋人は皆そう。その人の“良いところ”が悪印象に上書きされている。自分のことを棚に上げているわけではないし、私を死なさなかったのだからそれだけで“最低な人間”は免れているだろう。それでも私は未だ“良き思い出”として見れなくて、時々こうやって望まず思い出しては、胸を締め付けられている。 皆、はじめはとても優しい。優しいから好きになった。私は「相手は私とは全く違う別の個体だ」という認識を度々忘れて盲目だった。思い通りにならないから落…