大井の山荘の人も どうしているかと絶えず源氏は思いやっているが、 ますます窮屈な位置に押し上げられてしまった今では、 通って行くことが困難にばかりなった。 悲観的に人生を見るようになった明石《あかし》を、 源氏はそうした寂しい思いをするのも心がらである、 自分の勧めに従って町へ出て来ればよいのであるが、 他の夫人たちといっしょに住むのがいやだと思うような 思い上がりすぎたところがあるからであると見ながらも、 また哀れで、 例の嵯峨《さが》の御堂の不断の念仏に託して 山荘を訪《たず》ねた。 🪷🎼哀歌 written by ハシマミ 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧くだ…