村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』講談社(1985.10.15第一刷発行) 「今は亡き王女のための」について書いてから間が空いた。 dokusyonohito.hatenablog.com 筆者はサルトルの『嘔吐』を読んでいた。なんと面倒なことだろう。今回取り上げる短編(あるいは「スケッチ」)は『嘔吐1979』だ。 こんにち、サルトルがどういう評価になっているのか筆者はしらない。ただ、大昔、というのは戦後から1970年代くらいまで、ものすごく人気があったようだ。 類似点、翻案、影響などをリストアップしてもいいが、出来の悪いレポートを見せられては読者も迷惑だろう。手短に言う。 サルトルの『嘔吐…