🌊 1. 小さな浮き輪と、歩ける海 小さい頃、私は海のそばで育った。その町は、小さな漁村だった。 夏になると、お母さんがよく海水浴に連れていってくれた。ちっちゃなレジャーシートを敷いて、ビーチサンダル🩴を履き、浮き輪に体をしっかり通して、ぎゅっとしがみついて──私は海にぷかぷかと浮かんでいた🌊。 波はいつもやさしくて、でもすこしだけ怖かった。だけど、そのこわさが楽しかった。 どこまでも歩けそうな、浅いまま海が続いている“遠浅(とおあさ)”の海。沖のほうまで足がついたまま進める、あの安心感は、今もはっきり覚えている。底が見えるって、あんなにも心強かったんだ。 海の家🏠もあった。シャワー🚿の生ぬる…