●歌は、 「春の日のうら悲しきに後れ居て君に恋ひつつうつしけめやも(巻十五 三七五二) 「向ひ居て一日もおちず見しかどもいとはぬ妹を月わたるまで(巻十五 三七五六) である。 福井県越前市 城福寺門前庭万葉歌碑(狭野弟上娘子・中臣宅守) ●歌碑は、福井県越前市 城福寺門前庭にある。 ●歌をみていこう。 ◆波流乃日能 宇良我奈之伎尓 於久礼為弖 君尓古非都々 宇都之家米也母 (狭野弟上娘子 巻十五 三七五二) ≪書き下し≫春の日のうら悲(がな)しきに後(おく)れ居(ゐ)て君に恋ひつつうつしけめやも (訳)春の日の物悲しい時に、一人あとに取り残され、あなたに恋い焦がれてばかりいて、どうして正気でい…