君が行く 道のながてを 繰り畳ね 焼きほろぼさむ 天の火もがも (きみがゆく みちのながてを くりたたね やきほろぼさむ あめのひもがも) 狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ) 万葉集・巻十五・3724 〈現代語訳・口語訳〉 あなたのいらっしゃる道の、長い道のりをたぐり寄せて畳んで、焼き尽くしてしまうような天の火がほしい。 ※中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)が蔵部(くらべ)の女嬬(じょじゅ)である狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ)を妻としたが中臣朝臣宅守が流罪となって、越前国(現在の福井県)に送られることになった。このとき、夫婦が別れ別れになってもう逢えないことを嘆いて、二人がそ…