訓読 >>> 3779我(わ)が宿(やど)の花橘(はなたちばな)はいたづらに散りか過ぐらむ見る人なしに 3780恋ひ死なば恋ひも死ねとや霍公鳥(ほととぎす)物思(ものも)ふ時に来(き)鳴き響(とよ)むる 3781旅にして物思(ものも)ふ時に霍公鳥(ほととぎす)もとなな鳴きそ我(あ)が恋まさる 要旨 >>> 〈3779〉家の庭の花橘は、いたずらに散っていくままになっているのだろうか、誰も見る人もなく。 〈3780〉恋い死にしたいなら、そのまま死んでしまったらとでもいうのか、ホトトギスよ。物思いに沈んでいる時にやってきて鳴き立てるとは。 〈3781〉旅先にあって物思う時に、ホトトギスよ。わけもなく…