塗装工事とは塗料を薄い膜にして素材の表面をおおう表面処理の工事です。この薄い塗膜は素材の表面を外気から遮断し、汚れや湿気、錆びなどを防ぎ、素材に直接傷がつかないように製品を保護するとともに、外観を美しいものにして人の心を満たす働きをしています。また建築物などでは通路とそれ以外のスペースの識別などにも使用されることがあります。
塗料とは流動性をもち、塗り広げるとフィルム状になって素材の表面に密着して固加し、製品表面を保護して美しく化粧するものです。
又、いかに優秀な塗料を使用し、どんなに入念な塗装をしても、素材表面が汚れていたりさびていると、期待された塗装の効果は発揮できない。コーティングでも同じことが言えるでしょう。
さびの発生した鉄材や水分の多い木材に塗られた塗膜は非常に早くいたんでしまいます。
良好な素材の表面を作ることを「素地ごしらえ」、又は、「塗装の前処理」と言い、素材に応じた処理を行います。金属やプラスチックには安定して塗料が密着しやすい表面を作ります、こうしてととのえられた被塗面にはじめて塗料が塗られます。
塗装は下塗り,中塗り,上塗りの3回塗りが標準であり、最初の塗りは下塗りと言い,素材との密着,素地の平滑化のためで、金属のときは防錆も考慮されプライマー工程とも言われます。次は中塗りで、平滑性の向上、必要とされる塗膜の厚さ(肉厚)、均一な色彩などをととのえる塗りである。最後の塗りは、目的にあう色彩や性能の塗料の塗りで上塗りと呼ばれます。
この、塗られる表面のまわりを十分に掃除し、周囲が塗料で汚れるおそれがある場合は紙やテープ、カンバスなどで保護し、乾燥中や乾燥後の塗膜が損傷するおそれがある場合には十分な予防処置をする。このことを養生と言います。
したがって、広い意味の塗装とは素地ごしらえをし、塗料を調合し、塗付け、乾燥する事および養生などを含んだ一連のすべての作業の事である