東京都町田市にある、法政大学の研究所。
社会・労働問題の研究所であると同時に、利用者の資格を問わない専門図書館・資料館であり、文献情報センターとしても機能しています。1919(大正8)年2月、大原孫三郎によって創立された、社会科学分野では日本でもっとも古い歴史をもつ研究機関です。 http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/index.html
社会・労働問題の研究所であると同時に、利用者の資格を問わない専門図書館・資料館であり、文献情報センターとしても機能しています。1919(大正8)年2月、大原孫三郎によって創立された、社会科学分野では日本でもっとも古い歴史をもつ研究機関です。
本日、大原社会問題研究所100周年記念シンポジウムが開催 権田保之助が研究員として勤務した大原社会問題研究所(以下、大原社研)は、1919(大正8)年2月9日、岡山県倉敷の大原孫三郎によって大阪天王寺に創立されました。権田保之助は大原社研で、高野岩三郎主導のもと「月島調査」を行い、また「浅草調査」も行いました。 本日の公開シンポジウムでは、大原社研所長であった二村一夫氏の記念講演があり、大原社研の100年について語られました。 整理が進んでいる権田保之助の未公表資料 記念レセプションでは、権田速雄氏が大原社研へ寄贈した権田保之助の膨大な未公表資料の整理が進んでいること、未公表資料はとても貴重な…
次男の速雄氏は、父権田保之助の資料を大切に保管してきました。 江戸東京博物館の「浅草社会地図」は保管していた資料から発見されました。 縁あって、私は、権田保之助の次男速雄氏と交流を持つことができました。速雄氏は父保之助の残した資料は研究する価値があると考え、膨大な資料を大切に保管してきました。昭和58年には、膨大な資料の中から関東大震災前の浅草を調査したノートと紙片を発見しました。これを元にして作成した「浅草社会地図」は現在、江戸東京博物館の床面に大きく展示されています。関東大震災前の浅草の様子を詳細に記録しています。 また、速雄氏は「日本人と娯楽研究会」に参加して、学者と一緒に権田保之助に関…
7月28日は、大正~昭和初期の実業家・大原孫三郎(1880~1943)の誕生日です。 大原は地元の倉敷(岡山県)で、親から受け継いだ会社(倉敷紡績など)を経営しながら、孤児院、社会問題の研究所、総合病院、美術館などの社会事業を手がけました。 大原がおもに活動した大正期は、明治における近代化の基礎に立って、一部の恵まれた人たちが、福祉や文化の向上をめざすさまざまな試み――社会実験といえるものを行った時代でした。 たとえば大正デモクラシーは、そんな社会実験の一部といえます。「画一的教育の打破」「子どもの個性や創造性を生かす」ことをテーマにした「大正自由教育」の運動もありました。 明治国家は、政府に…
ここ数日、オーディブルで半藤一利の著書を聞いた。 『人間であることをやめるな』『漱石と司馬遼太郎の日本』『戦争というもの』を聴いた。本職の方の読み上げである。歴史探偵・半藤一利の遺言である。 人間であることをやめるな 作者:半藤 一利 講談社 Amazon 漱石と司馬遼太郎の見た日本 作者:半藤 一利 Audible Amazon 戦争というもの 作者:半藤 一利 PHP研究所 Amazon 2014年にオーディオブックの半藤一利『昭和史』(1926-1945年)と『昭和史』(1945-1989年)全68巻を全編聴いた。約2カ月間、徒歩通勤の途上。著者の半藤さんが語るのを聴くというスタイル。勉…
こんにちは。 ここ数日は悪天候が続いていますね。水害や土砂災害が出ている地域もあるようですが、皆さんのお住まいの地域は大丈夫でしょうか。それにしても、この調子だと、梅雨明け宣言の日付の訂正があるかもしれませんね。 (数年前でしたが、今年とは逆のパターン、つまり8月になってから「もう梅雨は空けていました」という間の抜けた発表があったと記憶しています。) なお、私の住んでいる地域は、今日は本格的な暑さが戻ってきています。いよいよ(やっと?)夏本番と言うところでしょうか。 さて、前回の投稿で銀閣寺のことに触れましたが、そこで書き忘れたことをひとつ。 多くの観光客は、銀閣寺を訪れた後、哲学の道の方へと…
『日本アナキズム運動人名事典』は「まえがき」などで明言されていないけれど、『近代日本社会運動史人物大事典』におけるアナキスト人名選択と立項の不足不備の問題を発端として、企画編纂へと至っている。 それもあって、前回の若山健治の立項もあるわけだが、そこで言及しなかった『無政府主義論』の著者エルツバツヘルも含まれ、エルツバッハーとして、次のように立項されている。 エルツバッハー Eltzbacher , Paul 1868.2.18-1928.10.28 ドイツ、ケルンに生まれ、各地の大学で学び、ハレ大学を経たのち、06年ベルリン商科大学で法律学の教授となる。00年『アナキズム』をドイツ語で刊行。同…
ビアトリス・ウェッブ(Webb, Beatrice) ビアトリス・ウェッブ(Webb, Beatrice) ビアトリス・ウェッブ著作リンク一覧 ビアトリス・ウェッブ著作一覧 Wikipedia ビアトリス・ウェッブ著作リンク一覧 国民共済策(ウエツブ夫妻 著, 平瀬竜吉 訳. 大日本文明協会事務所, 大正3)労働組合運動史(シドニー・ウェッブ, ビアトリス・ウェッブ 共著, 荒畑勝三, 山川均 共訳. 叢文閣, 1920 / 荒畑寒村 訳. 板垣書店, 1949 → 労働組合運動の歴史 荒畑寒村 監訳, 飯田鼎, 高橋洸 訳. 日本労働協会, 1973) 消費組合発達史論 : 英国協同組合運動…
シドニー・ウェッブ(Webb, Sidney) シドニー・ウェッブ(Webb, Sidney) シドニー・ウェッブ著作リンク一覧 シドニー・ウェッブ著作一覧 Wikipedia シドニー・ウェッブ著作リンク一覧 国民共済策(ウエツブ夫妻 著, 平瀬竜吉 訳. 大日本文明協会事務所, 大正3) 労働組合運動史(シドニー・ウェッブ, ビアトリス・ウェッブ 共著, 荒畑勝三, 山川均 共訳. 叢文閣, 1920 / 荒畑寒村 訳. 板垣書店, 1949 → 労働組合運動の歴史 荒畑寒村 監訳, 飯田鼎, 高橋洸 訳. 日本労働協会, 1973) 産業民主制論 (上巻 シドニー・ウエツブ, ベアトリス…
標記のセミナーが開催されます。 参加には申し込みが必要です。 詳しくは、立教大学共生社会研究センターのサイトをご参照ください。 https://www.rikkyo.ac.jp/research/institute/rcccs/news/2022/mknpps000001z1t7.html 日時:2022年7月23日(土) 14:00~16:00 実施方法:オンライン会議システムZoomにて開催します。アクセス情報はお申込み後にお知らせいたします。 スピーカー: 山本唯人さん(法政大学大原社会問題研究所准教授・環境アーカイブズ担当) 相川陽一氏(長野大学環境ツーリズム学部教授) 主催:立教大学…
長島祐基「産業別労働組合と演劇サークル ―全損保大阪地協演劇部から劇団大阪へ―」『大原社会問題研究所雑誌』no.762(2022.4) 当館の資料を利用して書かれた論文の抜き刷りを著者から寄贈していただきました。この論文については今年2022年4月に法政大学大原社会問題研究所の月例研究会で報告されています。そのとき使われたスライドのプリントも寄贈されました。 本稿は1950年代から70年代初頭にかけての職場のサークル活動と作品のテーマを分析することによって、企業の枠を超える組合員の仲間意識や共同性の形成にサークル活動が果たした役割と高度成長の中でのサークルの変化を検討するものです。 この研究は…
連載最終回です! この連載記事は、翻刻と解説をまとめて近々書籍として発刊いたします。 31. 波紋 『波紋』は、彦根工場で結成された最初のサークルで、会員45名(注1)を擁した若葉会の会誌である。辻󠄀資料には、1954年10月発行の創刊号から1956年4月発行の第6号までが収められている。 『波紋』創刊号(1954年10月) 当時、若葉会にかかわった労働者からの聞取り調査によれば、設立の経過は以下のようである。 「‥‥「人生手帖」という雑誌が出ていました。月刊誌で。それをみんななるべく読もうよなんていう形でわっと集まったということですね。それを読むだけじゃなしに、自分たちで書いたものを自分たち…
オランダにおけるワーク・ファミリー・バランス(26) 善積京子教授論文抜粋 追手門学院大学・地域創造学部紀要4号 「オランダにおけるワーク・ファミリー・バランス」 2019年3月10日 註 ⑴ オランダは、一日の個人的ケアと余暇活動に使われる時間は15.9 時間で3 位(フランス16.4 時間で1位、スペイン15.9 時間で2 位)、労働時間の指標では、わずか0.5% で2 位である(OECD の国の平均は13%、ロシアが0.2% で1 位を占める。 ⑵ このデータの「フォーマル保育」とは「正規保育(Kinderopvang)」を意味し、それには「登録許可された保育所(Kinderdagver…
2021年12月に早稲田大学で開催された「アーキビスト座談会:アカデミックリソースとしてのアーカイブの現在」に館長谷合佳代子も登壇しました。その様子を文字起こしされた記事が公開されました。 『Intelligence インテリジェンス』no.2220世紀メディア研究所編集・刊行 発売:文生書院 税込み定価3520円 この座談会の登壇者は下記の通りです。 司会:川崎賢子(立教大学) 谷合佳代子(エル・ライブラリー・大阪産業労働資料館館長) 榎一江(法政大学大原社会問題研究所 教授) 鴨志田浩(公益財団法人 大宅壮一文庫) 大野 太幹(外務省外交史料館・課長補佐) 座談会のテーマの一つに「デジタル…
矢代幸雄『藝術のパトロン』(中公文庫)を読む。国立西洋美術館設立の基となった松方幸次郎コレクション、三渓園の原三渓、大原美術館を作った大原孫三郎と総一郎親子、福島コレクションの福島繁太郎の4組の大コレクターを取り上げている。 松方幸次郎は川崎造船所のオーナーで、第1次世界大戦の好景気のために自由に使える金が3千万円できた、それでヨーロッパの油画を買って日本のために立派なコレクションを作りたいと言った。松方の3千万円というのはどれくらいの価値か。当時矢代はパリで1カ月200円少しくらいで生活できた。横浜からロンドンまで40日もかかって1等の船賃全部を含んで800円くらいだった。その大金で油画を買…
世の中はウクライナでの戦争に耳目が集まり、それはそれは悲惨な状況が連日報道されています。図書館は平和の礎の一つと考えている私はこの状況に何ができるのかと思いをめぐらせています。図書館に戦争を止める力はありませんが、戦争に至らない道を探す知識の宝庫として、過去の記録や先人の知恵をアーカイブすることが図書館の使命と考えます。 さて、そのような折ではありますが、今年1月に「日本労働ペンクラブ」が初めて選定した「労働遺産」が発表され、認定証が公布されました。栄えある第1回の労働遺産に認定されたのは以下の2件です。 ⅰ 川崎・三菱大争議など大正時代の関西労働運動の記録ⅱ 近代的労働運動発祥の地記念碑と遺…
28.職場新聞(21)替歌 「うたごえ運動」は、戦後、日本共産党の文化工作の一環として始められたが、その後、1950年代に民主主義を守る運動、平和を求める運動として党派を超えて広がり、大きく発展していった。一方、労働現場でも、サークルや職場で集い、歌うことが広がった(注1)。 1957(昭和32)年6月16日付「第三回支部大会報告書及議案書」(近江絹糸労働組合彦根支部)の教文部の活動報告にも「うたごえの仕事ぶり」として項目が立てられ、組合運動の一環としてとらえられていたことがわかる。また、辻󠄀保治資料には、歌詞集や替歌集なども残されている。 『晒練替歌集』晒練職場会 職場新聞にも「うたごえ」と…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 紛れもなき日本民族日本人の切なる願いはただ一つ、数万年前・数千年前の祖先と数千年後・数万年後の子孫の為に、民族中心神話所縁の正統性男系父系天皇制度と神の裔である現皇室の天皇・皇族を守り残す事のみであった。 日本民族日本人が天皇に向ける畏敬・敬愛・親愛は、情緒、情愛よりも強く深く濃い「情念」である。 ・ ・ ・ 昭和7(1932)年 ソ連・コミンテルンは、社会ファシズム論から日本共産党に対し32年テーゼ「日本に於ける情勢と日本共産党の任務に関するテーゼ」を送った。 「帝国主義戦争の内…