気仙沼のお土産だという。 かの大震災のおり、火が出た街だ。夜間ライトに照らし出されたのは、どす黒く濁った水の表面が、木材やらゴミやらを浮べながら、ゆるく不気味に移動する光景だった。狐火のごとき炎がいくつか、ちょろちょろと揺らめいていた。油を含む残骸に引火し、水に浮いて漂流しているとのことだった。遠方では、市街地だろうか、それとも工場群だろうか、なん箇所かで炎が揚っている。自分では訪れたことのない街だ。 火攻め水攻めかあ、かなわんなあ……。テレビ画面から、眼が離せなかった。 わが国有数の水揚げ高を誇る、漁業の街だ。復興は成ったのだろうか。震災後今日までも、自分では訪れたことがない。 お若い友人が…