大学寺に人々あまたまかりたりけるに、古き滝を詠み侍ける 滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ 大納言公任(藤原公任)(千載集 雑上 1035)(拾遺和歌集 449)(百人一首 55) まるで呪文じゃないか!平安貴族・藤原公任の明らかに長すぎる肩書と絶えない苦労 昔から「肩書の長いヤツにロクなのはいない」とは誰が言ったか、中身のない人間に限って、ご大層で長ったらしい肩書を欲しがるなんてのはよくある話し。 しかし、中にはこうした肩書を自ら望んだ訳ではなく、押しつけられて受けざるを得なかった事例もあったようで、当事者の苦労は察するにあまりあります。 今回はそんな平安貴族の一人、藤…