蛇口をひねれば天然水!そんな環境で暮らそうと秋津俊介は八ヶ岳南麓に移住した。観光地にも近く、ガイドブックにも紹介されて、土日祝日は開業したレストランのテーブルは満席になる。病気がちだった息子も元気になり、そのレストランの 経営も順調だったが、いつのまにか山麓には多くの飲料水メーカの工場が乱立していた。 ある日突然、井戸に異変が起こり、水が濁った。設備屋に調べてもらったが、水道管の錆ではなく水そのものが濁ったのである。やがて水が出なくなってしまう。秋津は問題を解決しようと、飲料水メーカと癒着する現職市長の対抗馬を応援する選挙活動に奔走するうちに、“水”という自然からの贈り物の大切さに気づく。果た…