●歌は、「春さればまづさきくさの幸くあらば後にも逢はむな恋ひそ我妹」である。 奈良市神功4丁目 万葉の小径(30)万葉歌碑(柿本人麻呂歌集 さきくさ) ●歌碑は、奈良市神功4丁目 万葉の小径(30)にある。 ●歌をみていこう。 ◆春去 先三枝 幸命在 後相 莫戀吾妹 (柿本朝臣人麿歌集 巻十 一八九五) ≪書き下し≫春さればまづさきくさの幸(さき)くあらば後(のち)にも逢はむな恋ひそ我妹(わぎも) (訳)春になると、まっさきに咲くさいぐさの名のように、命さえさいわいであるならば、せめてのちにでも逢うことができよう。そんなに恋い焦がれないでおくれ、お前さん。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソ…