以前職場のパートさんから聞いた話。 彼女がまだ学生の頃、妹と一緒に夜道を自転車で走っていると、視界の端に何かが映った。 少し先の電柱の陰に何かがいる。 その蠢くものを通り過ぎ様に見て、ギョッとした彼女は急いで自転車を漕いだ。妹も同じものが見えたらしくスピードを揃えてくる。 少し離れて二人で見たものの答え合わせ。 二人ともやはり同じものを見ていた。ぬらぬらとした大きな甲羅を背負った人型のなにかが電柱の陰にしゃがみ込んで身体を震わせていた。 河童。そんな言葉も頭を過ったが、ここは住宅街。小川流れる山や河川敷ではない。 恐る恐る戻ってみたが、そこにはもう何も居なかった。 私はこの話を聞いて映画版の鎌…