ボヘミアン・ラプソディ 第3話 ボジヴォイ 西暦892年、父ホスチヴィートからボヘミア公爵位を継承したボジヴォイ、齢40。この人物は為政者としては交渉と陰謀に長けており、決して無能ではなかったが、人として評価できる男ではなかった。嘘つきでシニシズム、非情にして短気、そして疑心暗鬼。人として好まれる要素がまるでないのである。もちろん君主がいい人である必要はないが、少なくともそう見える人である必要はある。ボジヴォイは人の心がわかる男ではなかった。そしてそれは周知の事実であった。そのことが最も災いしたのが家族関係、より正しくは夫婦関係である。 ボジヴォイの妻、34歳のルドミラはボヘミア公爵の下でリト…